先月、実家の父の贈ったASUSのZenFone Go(ZB551KL)ですが、その後も折に触れて母に訊いているのですが、やはり休日に家で少し触る以外には平日は勿論、休日の出かける際にも持ち歩くことはないそうです。理由は簡単でただ一つ。「大きいから持ち歩くのが面倒(邪魔)」だということ。
ZenFone Goも他のスマホと比べて特別大きかったり厚かったり嵩張るモデルというわけではありません。同じASUSのZenFone Maxを今メインで使っている私としては、むしろ軽くて薄いと思っていたくらいです。そして、大きさや厚さ、重さというものを軽視していたことに改めて気付きました。
人によっては機能の豊富さやスペックの高さ、さらには画面の見やすさなどよりも大きさ、薄さと軽さこそが外せない絶対条件だということです。
胸ポケットに入らない時点で、スマホの存在が気になる時点で、既に選択肢から外れます。
もちろん私のように、スマホに興味があり、使うことが苦ではない(日常になってしまっている)者にとっては大したことではありませんが、多くの方にとってはスマホはあくまで道具の一つです。多少は不便でも、無くても別に困りません。そして、良いか悪いは別として、胸ポケットに入れられるかどうかは大きな基準になる場合もあります。
父が胸ポケットに入れているかは分かりませんが、母によると、父が今長年愛用しているガラケーを選ぶ際に最も重視したことは「薄さ」だったそうです。休日に手ぶらで出かける際にポケットにとりあえず入れて出かけても気にならない。財布と車の鍵と同じように、父にとってはガラケーもそんな「存在感が気にならない」日用品の一つでした。
「存在感が気にならない」といっても勿論全く使っていない訳ではなく、むしろかなりマメに使っていました。東京の私にもよくメールをくれますし、気軽に電話としても使っているようです。母との連絡にも欠かせないようです。ただ、スマホが嵩張るのであれば、父にとっては多少の不便(連絡が出来ない)があっても、どうやら持っていく面倒さのほうが気になるようだ、ということが改めて分かりました。
そこで「薄さ」と「大きさ」に絞って改めてスマホを考えた。
そこまで気に入っているんなら、無理してスマホを贈る必要はないんじゃない?
そう思われる方もいるかと思います。ただ、既に今使っているガラケー自体が間もなく3年になります。どうやら最近「そろそろ3G終わるから機種変して」と案内が来るようですし、また娘(私の妹)や弟(私の叔父)がアメリカなのでSMSが送れなかったり、写真が受け取れない、ということで父自身スマホには興味を持っているようなのです。母も既にスマホですし、思った以上に月々の利用料も安く済んでいるので先日mnpをしましたが、今のところ特に不便はない様子。
とはいえ、普通に薄くて小さい、イメージとしては胸ポケットに入れても気にならないくらいのスマートフォンを探す、となると、私のような元々興味のある人間なら別ですが、実際にはなかなか難しい。今回も帰省時に近所の家電量販店(といっても小さい)なども眺めてみたのですが、安く(ケータイというのは無料だ、と思ってきた人たちにはこれは大切)て手頃なスマホ自体がそもそも全くと言って良いほどありません。ほとんどが高性能で高く、また大手キャリアとの複数年契約が前提のハイスペックスマホが数モデル展示してあるのみです。
そもそもがガラケーからの乗り換え層にとっては選択肢が極端に限られる(ように見えてしまう)ところが、なかなか買い換えが進まない大きな理由かな、と思います。
ということで、前置きが長くなりましたが、そんな視点で今回見つけてきたのが、FREETELが出している4.5インチスマホ、Priori3 LTEです。
Priori 3 LTE(プリオリ3 LTE)の特長|FTJ152A-Priori3 LTE|FREETEL(フリーテル)のSIMフリースマホ
FREETEL priori3 LTE
FREETEL。ここ最近では「REI(麗)」が大分ネットでも話題ですし、レビューも多く上がっているので気になるメーカーではありましたが、大変申し訳ないのですが印象としては「安かろう悪かろう」の話題先行で「売り切り」型の割り切って使う類のメーカーだと思っていました。
だって「MIYABI(雅)」も「KIWAMI(極)」も発売直後は必ず話題にはなるものの、その後は結構悲鳴が聞こえてきていたので、「REI(麗)」もそうなるのかな、といった冷めた目で見ていました。にも関わらずそんな私が今回選んだのが、名前は時々目にしてはいても全く調べる気も起きなかったこのメーカーの「priori」ですから。
けれど、今回とりあえずpriori 3に関しては、私はこの印象が変わりました。ごめんなさい、今まで全く試さず適当にイメージだけで評価していました。
ある程度事前に必要な事はあるものの、胸ポケット派にとっては現状これほど有力な選択肢はないかもしれません。
SIMフリースマホとしては現状数少ない「使い物になる」4.5インチ端末。
実際に常に一定数いると思います。何より胸ポケットに入る大きさを求める層。そして、ガラケーでほぼ充分なのだけれど、スマホの機能があれば確かに便利な層。
けれどSIMフリースマホで「使い物になる」4.5インチって思った以上に少ないな、と思います。全くない、という訳ではなく、東京都内の家電量販店で眺めればそれなりに格安であることはあります。ただ、いざ使うとなるとなかなか悩ましい。それは勿論今回のpriori 3も同様ですが、何よりこれ、スマホ初心者や入門者にはとりあえず自分の用途に合わせて不便無く使えるように最初の段階で設定するのが既に面倒です。
そうした中で今回のpriori。これ、とりあえずシンプルな用途に絞ってアプリ等を入れてみたところ、割り切って使うつもりなら私でも充分に実用的でした。
サイズ | 132mm(高さ)x65mm(幅)x8.9mm(厚さ) |
重量 | 約120g |
OS | Android 5.1 |
ディスプレイ | 4.5inch/854×480(FWVGA IPS) |
CPU | MT6735M Quad Core1.0GHz 64bit |
メモリ | 内部RAM 1GB / 内部ROM 8GB / 外部メディア規格 MicroSD(128GBまで) |
バッテリー | 2,100mAh(取り外し可) |
SIMスロット | 標準 / micro(同時待受は国内では不可) |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n (2.4/5GHz) |
実際私のサブの通話SIMを入れて持ち歩いていたのですが、このコンパクトさ、手軽さ、手の中での収まりの良さはかなり気に入ってしまいました。アプリも限定して入れているので動作も軽い。下手に色々やらせようとしないのであれば、却って無駄がなくて潔い。「雅」や「麗」といった漢字からイメージされる華やかさとは別の、日本の美しさ(侘や寂)のようなものを感じます。そうした漢字を当てはめても面白かったのにと思ってしまうほど、プリインストールアプリもほとんどありませんし、シンプルな端末です。
実際に「FREETEL WABI(侘)」とか「SABI(寂)」とか当てて売れるかどうかは分かりませんが、面白くはある。私は好き。
実売価格1万円強のスマホとしては悪くない外観。
今回はZenFone Max同様、既に気に入ってしまっているので色々な面が好印象に映ってしまっていることを前提として聞いて欲しいと思います。何か一つが気に入ると、「低スペック」だ「低機能だ」と言った普段なら真っ先に重箱の隅をつつくように指摘したくなるような点が、「いや、だから良い」などと変わってしまうのですから、人っていい加減で勝手なものです。
外観も実売1万円強のスマホと考えたら充分です。側面もこれはこれでなかなかよい感じですし、変に凝ってない分無駄がないとも言えます。
薄さ(8.9mm)、軽さ(120g)を考えたら、変に色々加えない方が良い。でいながら、バッテリーが交換可能だったり、デュアルSIM(標準/micro 同時待受は不可)だったり、Wi-Fiが地味に5GHz対応だったり(摑みがイマイチ不安定なのが惜しいけれど)と面白いのです。
「家族に贈る」場合には、贈る前の設定が腕の見せ所。
とはいえ、これを誰にでも勧められるかといえば全く別の話で、これ買って「はい、プレゼント」とスマホに慣れない(関心が無い)家族に贈るのはかなり手強いと思います。私もこれを何も入れない状態で使うのは正直辛い。けれど、そこは腕の見せ所です。実家の家族に贈るスマホはここ最近のこのブログのテーマの一つのようになっていますが、「家族が何を必要で何が余計なお世話か」をきちんと考えてコミュニケーションを取らなければ作れません。それらをきちんと把握した上で、そこに自分自身の知識や経験を落とし込む。自己満足に陥らない程度に。
家族に無理矢理スマホを贈ること自体が余計なお世話?はい、それは否定しません。
誕生日と父の日を兼ねた贈り物として、このPriori3は既に父の元にあります。
私の父のような層というのは少ないかもしれませんし、低価格で提供するとなれば利益率や生産数等も考えるとなかなか難しいのかもしれません。この市場自体が特殊でもあります。そして、そうした人たちが必ずしもこのようなモデルを望んでいるとは限らない。難しいとは思います。
ただ、その分競合が少ないので、ちょっと唸らせる何かをもったモデルが出ると強い。iPhone SEがあれだけ予想以上に検討したのも一つの例(あれは価格はしますが)ですし、胸ポケット派にとっては何年も買い換えない理由になります(そうした点でpriori3 LTEがバッテリーの交換が可能なのは素晴らしいです。)
昨日が父の誕生日だったため、急いで設定して「誕生日と父の日を兼ねた」贈り物として既にこのprioriは父の元にありますが、先ほど父からGoogleハングアウトでメッセージが届きました。この時間は父は職場にいる筈なので、持ち歩いてくれたのでしょう。使いにくいかもしれませんが、その辺はこれからも父と(スマホのことに限らず)日々会話を増やすことでコミュニケーションを増やしていきたいと思います。
ちなみに、私は先日までメインiPhone SE、サブZenFone Maxの2台体制でしたが、結局ZenFone Max一台に戻しました。
私にとっては魅力的ではあったものの、iPhone SEはこのコンパクトさが却って誤入力が多く、意外と手強かったのが理由です。あとは今回の台北旅行で思った以上にMaxが使い勝手が良かったこともあります。大きさというのは人によって使い勝手にかなり影響する大事なポイントだな、と改めて感じました。
FREETELのpriori3 LTEは決して新しいモデルではありませんが、今もさりげなく売っている、人によっては「まさにこれ」と思わせる良端末だと思います。
最後に。胸ポケット派の人は既におわかりかと思いますが、油断して前屈みなどになるとスマホ落としますので気をつけましょう。
(私は基本的に胸ポケットには入れませんが、時々靴ひも結ぶ時に困って、とりあえず入れたところ見事に落として凹むことがありまして。)
Priori 3 LTE(プリオリ3 LTE)の特長|FTJ152A-Priori3 LTE|FREETEL(フリーテル)のSIMフリースマホ
最近はすっかりASUS好きな私としては、Zen(禅)を謳うZenFoneシリーズでこそ、こうした端末を出して欲しいなぁ、と願っているのですが。